出会い系で一目惚れしたセフレ

出会い系で一目惚れしたセフレ

目と目が合っただけで恋に落ちることがある。

別にタイプではなかった。出会い系に来たのはセフレが欲しいからで、ターゲットもスレンダーな可愛い系だったが、彼女はごく普通の体をした女で、ことさら美形ではないが惹きつけられた。一目惚れというのだろうか。写真を見ただけでこの女性しかいないと見極めた。

連絡して思いを告げたら会ってくれることになった。これは相思相愛になれるかもしれないと色めき立つ。季節は秋だったが、心の中に春の花がいっせいに咲き乱れる。彼女が住む長崎市で会った。

実際に会ってみても、一目惚れ状態が続く。「好きになった人が理想の人」という言葉をよく耳にするが本当にその通りで、彼女は俺のタイプだったのだと改めて感じた。

ところで不思議な現象が起きた。彼女に対して性欲がわかないのだ。セックスしたくて出会い系にきたのに彼女を少しも抱きたいとは思わない。顔を見ているだけでどきどきし恥ずかしくなる。セックス二の次。それよりも自分のことを信用して欲しい。しょせん出会い系に女を漁りに来た男だなんて偏見を持たず、とにかく好きになってほしい。俺は彼女の表情ばかり気にしていた。俺のことをどう思っているのか。好きか、嫌いか。

「君が好きだ。本気で好き・・・君の気持ちを知りたい」

正直にそう告白した。彼女は含み笑いしながら腕を組んできた。

「だったら愛して。たくさん愛して」

えくぼが曖昧に光る。

これが俺に対する愛の表現なのかどうかはわからないが、とりあえず俺を受け入れてくれたことは確かだ。彼女は体を寄せてくる。セックスに誘われていることに気づく。これが大人の恋と言うものだろうか。好きになることは、セックスをするということか。セックスをすることで彼女は俺に愛を告げようとしているのだろうか。

ホテルに入る。

彼女は淫らになった。ごく普通の女でもベッドでは獣みたいになるのだなと感心する。積極的にフェラをし、クリ舐めを要求する。

「舐めてえ~ 舐めて~ 愛してえ~」

クリを舐められながら、見悶える彼女。

―本当に俺のことが好きなんだろうか―

「いつか俺と結婚してくれる? 俺の赤ちゃん産んでくれる?」

その日の最後のセックスのあと聞いてみた。彼女が笑う。

「結婚なんて興味ないもん。それより今度ドライブしない? 海辺に停めてエッチしよう」

時間が経つにつれ、俺は彼女のセフレにすぎないことがわかってきた。相思相愛などとこっちが勝手に考えているだけで、彼女には俺に対する愛はない。好きだからずっと一緒にいたかったが、一緒にいると逆に辛い。彼女の目的がセックスだけなんだと知れば知るほど辛くなる。

決死の思いで別れた。電話で今後のデートを断った夜、彼女はあっさりとOKした。

「そう、残念だね。元気でね。ばいばい」

これだけだった。

だが俺はめげない。これがきっかけで出会い系に背中を向けようなんて思わない。

出会い系で一目惚れする女性に会うこともあるのだ。

このことを知っただけで夢がふくらむ。

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