最近の若い女は貞操観念がない。喜ぶべきか、悲しむべきか。
もともと二十代の若い女とセックスしたくて出会い系に来たのであるから歓迎すべきことだが「セックスさせて」「うんいいよ」の二つ返事では拍子抜けしてしまう。ベッドインに至るまでもう抵抗してくれたほうがセックスしたときの達成感があってよい。特に彼女は見た目が真面目そうで物静か。もっと縺れたかった。
出会い系で彼女を見つけたのは二ヶ月前のこと。掲示板には二十代前半とだけ書いてあった。ピースサインをしているが笑顔でなく、どことなく堅物のイメージがある。よく言えば真面目か清楚。これは落とすのが難しいなと思いつつも、この手の女を口説き倒すフロンティア精神のようなものに目覚め、メールを送る。
「どうしよっかな」
渋っていた様子だったので途中でＬＩＮＥなどＳＮＳを通した連絡に切り替え、無料で何度もメールを送り続ける。ついに観念したかデートに応じてくれた。
広島市内で会う。
二人きりになると、だんだん彼女の態度に変化が現れだす。
「出会い系に何しに来たの？」
こちらの心の中を覗き見るような意地悪な微笑。
「え？ 何しにって・・・その」
「もしかしてエッチ？ でしょ？ エッチでしょ？」
真面目で清楚な雰囲気はどこへやら、瞳の色にセックス経験豊富な色が浮かぶ。そのギャップにかなり戸惑う。
「君はどうなの。何しに出会い系に来たの」
「そんなこと面と向かって言いたくない」
思いきってこちらの望みをぶちまけることにした。
「セックスさせて」
すると彼女はほくそ笑みながら「うん、いいよ」と答えたのである。
「本当にいいの？」
「いいよ。でももう少ししたら気分が変わるかも。今ならエッチしてもいい。そんな気分だから」
「君はもしかしてヤリマン？」
「変なこと言わないで。普通の女の子だよ。私よりエッチな友達いっぱいいるよ」
それからホテルでセックスした。
アソコは毛深くて変な匂いがし、もしかしたら処女かと思ったが違った。かなり濡れたしイキ声もすごい。
ところで貞操観念とは何か。そんなものを持っている女がいるのだろうか。その女と別れてからも出会い系で何人かの女と肉体交渉を持ったが、一様にみな貞操観念がなかった。
貞操観念を持っている女に会ってみたい。
そしてその手の女を紆余曲折の末に落としてみたい。かたくなに護られているものを奪い取ることもセックスの歓びのひとつだと俺は思う。
