真面目なごく普通の女子大生がいきなりビッチになってしまった話をしたい。
甲斐市に住む美枝は、一年生のころサークルの先輩と付き合ったことがあるものの、ここ二年ほど男性とは縁のない暮らしをしていた。恋愛には憧れるが、彼女にとってはそれほど重要ではない。セックス経験はあるがセックスに興味はない。世の中にはセフレを作ってセックスの快楽に溺れる同世代の女子大生がいると聞くが不謹慎極まりない。学生は勉強して少しでもいい企業や官公庁に就職するのが本分だと思っていた。
ところがある日変わってしまった。
出会い系に来てから、彼女はフリーセックスに覚醒し快楽に耽溺するようになった。
「美枝が出会い系に来た理由を想像してみたんだけど」
「なあに?」
二回目のセックスのあと、失敗したコンドームを膨らませて遊ぶ美枝。そのホテルのコンドームは俺のサイズに合わない。
「本当はセックスが好きだった?」
さりげなく美枝の乳にチュッとキスすると、くすっと笑い乳を揺らしながら布団の中に逃げる。美乳でスタイルもいい。
「何だろうね・・・どうしてふしだらな女になっちゃったのかな」
寂しさはあった、と美枝は言う。言葉にできない空虚感があり、出会い系に来ればそれがなくなると思ったようだ。
「なんだ、セックスなんてこの程度のことかって思ったの。そんなに難しく考えることないって。やりたいだけやればいいんだって。性欲を抑え込む女は損だって」
「セックスに目覚めたんだ」
「出会い系のおかげでビッチになっちゃった」
笑いながらまた布団から出てきてプリンとした丸い乳を出す。俺に会う前に八人ほどの男と関係したらしい。セックステクニックも抜群で、まるでプロだ。
「セックス未経験者が五割を越える女子大生の中で、美枝は貴重な存在だね」
「五割以上の女は損してる。もっと女を楽しまないと」
頬に垂れた髪の毛をコケティッシュな仕草でかき上げると、ゴムの匂いを嗅ぐ。
ところで美枝は本当にビッチか?
俺はそうは思わない。美枝は自分が女であることに目覚めたに過ぎない。美枝と美枝以外の女子大生の違いは、目覚めたか目覚めていないかの違いだけだ。
風船にしたコンドームの口を器用に結ぶと、ポーンッ! と少女のような声を出して跳ね上げてけらけら笑った。