出会い系で知り合った女子大生とセックスするまで一年かかった

出会い系で知り合った女子大生とセックスするまで一年かかった

二人とも新潟市内の大学に通う四年生。共通の趣味があって、セックスしなくても一緒にいて楽しかったんだ。しかも歴史オタクという風変わりな趣味。他に共感してくれる人がいない中、出会い系でかっこうの相手を見つけたというわけ。

SNSを通して歴史好きの者同士で語り合うことはあったけど、しょせんネット上のお付き合いで、実際に会うことはない。彼女はSNSの仲間とオフ会をやる機会があったようだけど、場所が東京だったので行けなかったらしい。そんな中、お互い引きつけ合うように出会い系で知り合った。

歴女とはいえ、女子大生ならではの可憐さがある。笑うと瞳がきらきらする。ぽっちゃり系で色白。一刻も早くセックスしたいという願望はあったけど、きっかけがつかめないまま時間がどんどん過ぎて行った。でも欲求不満はなかったね。歴史談義に花が咲くとセックスのことなんか考えなくなった。バレンタインデーとホワイトデーにプレゼントを交換したことがあり、そのときはさすがと胸がときめいたけど、おしゃれな包装紙の中に入っていたのは新撰組の本だった。

デートでは歴史ゆかりの地を訪ねることが多い。名古屋や金沢、京都まで出かけて行ったこともある。遠出するとホテルに泊まるけど、もちろん部屋は別々。まるで歴史研究会の仲間と旅行にきたみたいだった。

ちなみに僕は幕末が好きだけど、彼女は戦国時代のファン。織田信長が好きなようで、僕のことを「信長君」と呼ぶ。最初のうちは彼女のご贔屓の人物と同一視されて悪い気はしなかったけど、たまにうんざりする。僕の名前は「達彦」。たまには本名で呼んで欲しいと思うこともあった。

就活が迫ってくると、お互いあわただしくなった。二人でリクルートスーツを見に行ったりした。ふだん歴史のことばかりだったので違和感があったのを覚えている。

「いよいよこれを着るのね、信長君も」

「いつまでも学生じゃいられないんだな」

「会社に入って仕事するようになったら、お互いに変わってしまうのかしら」

珍しくセンチになる彼女だった。

卒業までにはセックスしたい。いやしなければならない。このまま二人社会に出てしまったら、他の男が彼女をさらって行くかもしれない。

「ホテル行こうよ。抱き合いたい」

そう言ったのは出会ってから一年後のことだった。

「信長君もエッチだったんだね」

「信長や家康がエッチだったから今の日本がある」

「いいよ、わかった」

きらきらした瞳が少し女っぽくなった。

とてもセックスと呼べるようなものじゃなかった。童貞と処女のセックスとはかくも間怠っこいものか。童貞はとにかく膣にペニスを挿入することしか頭にない。愛撫もろくにせず、とにかく挿入挿入だ。だか処女の穴は狭く固く、そう簡単に結合できない。

トライを初めてから二十分経過。なかなか男の役割が果たせず焦ってくる。慣れない彼女は身体を縮め、痛みから逃げるように身体を動かしベッドの端まで移動。

「落ちちゃうぞ」

抱き寄せてもとに戻す。

やっと挿入。コンドームをかぶせているとはいえ、童貞の仮性包茎が膣の心地よい感触に耐えられるわけがない。三こすり半ではないが、ちょこちょこピストンしたら簡単に射精してしまった。歴女の顔は苦痛でゆがんでいる。ペニスを抜くと、血の付いたコンドームがペニスの中程でめくれ返っている。精液だまりの先端が、だらんと垂れ下がっていた。

そのとき僕は、彼女と男女の関係になったんだな、と思った。歴史研究会の部室の壁が破れ、新しい風が吹き込み、新しい光が刺してきた。

そのセックスから彼女も変わった。

「達彦さん」

と呼んでくれるようになった。

お互い会社は別だけど新潟市内で就職。今でも仲良く交際している。

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